鋼材の保管方法とは?保管時のポイントなども解説
物流倉庫においてはさまざまな種類の商材を保管しています。商材によって管理方法は異なりますが、鋼材の保管方法には注意が必要です。では、具体的にはどのようにして鋼材を保管すればよいのでしょうか。そこで本記事では、鋼材の保管する際のポイントや保管方法などを解説します。
鋼材とは?
鋼材とは、さまざまな機器や施設設備の材料として利用される金属材料です。母材である鋼板を板状や棒状などに加工し、素材として活用されます。
鋼材の用途は、ビルなどの施設や鉄道や橋などのインフラ、包丁や箸といった日用品までさまざまです。
なお、鋼材には炭素鋼と合金鋼の2種類に分類されますが、これら2種の鋼材からさらに種類は分化していきます。
鋼材と鉄の違いとは?
鋼材は鋼からできていますが、鋼と鉄にはどのような違いがあるのでしょうか。
結論から言えば、鋼と鉄はどちらも鉄鉱石を材料としており、鉄(Fe)と炭素(C)でできています。しかし鋼と鉄では、炭素含有量が異なります。
鋼が鉄に0.02~2.14%未満の炭素が混ざった合金です。炭素以外にも、マンガンやリン硫酸を含んでいます。
一方、鉄の炭素含有量は0.02%未満です。そのためほとんどが鉄で構成されていますが、純度100%の鉄は珍しく、素材として軟らかいため用途が限定されます。しかし鉄に炭素などの元素が混ざることで強度や靭性が向上し、加工も容易になります。
鋼材を保管する際のポイントとは?
さまざまな材料を保管し、物流の拠点となる物流倉庫でも、鋼材は取り扱いのある材料の一つです。では、物流倉庫において鋼材はどのように扱えばよいのでしょうか。
本項では、物流倉庫における鋼材の保管方法について解説します。
鋼材に適した環境下で保管する
大前提として、鋼材は湿度が天敵です。湿度が高く、換気の悪い場所で保管してしまうと、鋼材の錆びの原因となるなどのリスクがあります。
そのため、鋼材を倉庫内で保管する際の環境としては、空気が乾燥しており、換気の良い場所、そして直射日光を避けられる場所に置くことが重要です。
倉庫ラックを活用する
鋼材を保管する際、地面に置くといった保管方法はNGです。鋼材の傷みの原因となります。そのため、鋼材を保管する際は必ず倉庫内にあるラックでの保管を行いましょう。
なお、鋼材の保管に活用される倉庫ラックとしては、以下の3種類があります。
- スチールラック
- ネスティングラック
- パレットラック
- 電動ラック
また、ラックで鋼材を保管する場合、鋼材の重量やサイズに対応できるかどうか、事前にラックの耐荷重や対応可能なサイズを確認しておきましょう。
なお、鋼材などの長尺物を保管するラックの選定方法などについては、こちらの記事でも解説しています。
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識別できるように管理する
鋼材の保管では、名称や種類などをすぐに識別できるよう、ラベル・現品票などを貼って保管しておくことが重要です。
特にさまざまな種類の鋼材を保管する物流倉庫において、種別を識別できない状態で管理するのは重大なミスなどにも繋がります。 倉庫内で明確にルールを決め、従業員の誰が見ても分かるような状態にしておきましょう。
鋼材を効率的に保管する方法とは?
鋼材の保管は物流倉庫においての業務の一つですが、さまざまな業務を忙しくこなす倉庫内において、効率化は必要不可欠です。これは鋼材の保管・管理においても例外ではありません。
本項では、鋼材を効率的に保管する方法について解説します。
棚やラックの配置を工夫する
物流倉庫は広大ですが、使えるスペースは有限です。その中で鋼材のようなサイズも大きく重量もある資材を管理する場合、収納に利用する棚やラックの配置には工夫が必要です。
鋼材の保管には重量物を収納できるパレットラックなどが適していますが、高さの設定なども重要になります。ある程度の高さまで収納できればスペースの節約に繋がりますが、高く設定しすぎると事故のリスクも高まります。
そのため、鋼材を保管する棚、ラックの配置が倉庫内の導線で効率的な位置に配されているか、高さの設定は安全上問題ないか、これら2点は鋼材の管理を効率化するうえで重要な要素といえるでしょう。
出し入れがスムーズにできるよう工夫する
鋼材の保管・管理においては、スムーズに出し入れできるよう、作業スペースの工夫も必要です。注意すべきポイントとしては、以下の点が挙げられます。
- 通路幅
- 保管場所
- 電動パレットやパレットトラックの活用
通路幅に関しては鋼材の出し入れや移動に支障がでないよう、十分なスペースを確保するように注意しましょう。
また、鋼材の種類やサイズに応じて、すぐに従業員がアクセスできるよう、保管場所に識別可能な表示を付けるなどの工夫も重要です。
なお、鋼材の移動時には電動カートやパレットトラックなどを活用することで、安全かつスムーズに作業を行うことができます。
鋼材の取り扱いにおけるルールを明確化する
物流倉庫内で鋼材の取り扱いに関するルールを明確化しておくことも業務効率を向上させるうえでは重要です。
たとえば鋼材を移動させる際は必ず電動パレットパレットトラックを活用する、出し入れをする際は近くに作業者がいないか確認したうえで作業を行うなど、倉庫内の環境に応じて最適なルールを設定し、従業員への周知徹底を行いましょう。
鋼材の保管・管理に関するルール化を蔑ろにしてしまうと、従業員間で作業のやり方にばらつきが出て非効率化する、事故の原因になるなどのリスクがあるため、鋼材を取り扱う際のルール化は必須といえます。
鋼材を保管する方法とは?
商材として鋼材を取り扱っている場合、保管の方法には選択肢があります。本項で紹介する内容をもとに、自社に合った方法で鋼材を保管しましょう。
自社で管理する
自社内で鋼材を保管する方法です。社内で管理できる分、余計なコストが発生しない点は利点といえますが、その分注意すべき点は以下の通りです。
- 鋼材を保管できるスペースはあるか
- 鋼材の保管に適した環境を用意できるか
- 鋼材の保管・管理業務を行える人材はいるか
社内で完結させる以上、鋼材を保管するスペースは必須です。また、前述したように鋼材の保管においては湿度などの環境に十分注意する必要があります。
そして、鋼材の保管・管理業務を行える人材が社内にいるかどうか、という点も重要事項です。知識やスキルのある人材がいないにも関わらず自社で鋼材の管理を行うのはリスクを孕みます。
自社での管理は上記のポイントを自社内で満たせると判断した場合にのみ、採りえる選択肢といえるでしょう。
物流倉庫に管理を外注する
前述したように、社内で鋼材の保管を行うのは簡単ではありません。そのため自社管理が難しいと判断した場合には、物流倉庫などに管理を委託するのが無難です。
なお、物流倉庫に委託する場合は保管してもらう鋼材の種類や管理方法など、事前に双方で認識のすり合わせを行い、齟齬が生まれないように注意が必要です。
まとめ
いかがだったでしょうか。本記事では、鋼材を保管する際のポイントや保管方法、効率化するために重要となるポイントなどを解説しました。鋼材のような重量物の保管・管理方法を明確化しておくことで、物流業務の効率化に大きく貢献できます。
なお、鋼材の保管を含め、物流アウトソーシングをお考えの事業者さまは、ぜひ一度クレーン倉庫を持つウチダフレイトへお気軽にご相談ください。