建材の意味とは？建材の種類や物流における建材管理の課題も解説
物流において建材という言葉を耳にする機会は多いかと思いますが、具体的にどのような資材を意味するのかご存じでしょうか。建材を取り扱うにあたって、建材という言葉が指す意味について理解を深めておくことは重要です。そこで本記事では、建材の意味や種類、物流における建材管理の特徴や課題について解説していきます。
建材の意味とは？
「建材」とは、建築材料です。建物などの建築工事に用いられる資材全般を総称し、「建材」と呼びます。
一口に建材といっても幅広く、以下のように分類されます。
・建築物の骨組みとなる資材（木材・コンクリート・石材・鉄骨・鉄筋など）
・内装・外装の仕上げに用いられる資材（屋根材・床材・壁材など）
・建築物の特性に関わる資材（防湿材・断熱材など）
なお、上記の建材はそれぞれ、建築物の用途や特性によって使い分けられます。建材とは単一の資材を指した言葉ではなく、建築現場において用いられるさまざまな資材全般を指している点を理解しておきましょう。
建材の種類
前項では建材の意味について解説しましたが、具体的に建材にはどのような種類があるのでしょうか。本項では、建材の種類について解説していきます。
仕上げ材
仕上げ材とは、建築物の内装・外装の表面に使われる建材です。仕上げ材の種類としては、以下の建材が挙げられます。
- 床材
- 屋根材
- 壁材
- 天井材
仕上げ材は内装・外装の中でも表面に用いられるため、撥水性、耐久性など、機能的な面に特徴があります。また、建物を利用する人の目に触れる部分でもあるため、デザイン面も重視される建材です。
下地材
下地材とは、仕上げ材の下にベースとして用いられる建材の総称です。主な下地材として、以下の建材が挙げられます。
- 壁材・屋根材の下地材：熱材・遮熱材・防音材・石膏ボード
- 床材の下地材：構造用合板
- 水回りの下地材：耐水ボード・耐水合板
下地材はそれぞれの持つ特徴に合わせて使い分けられています。たとえば、構造用合板（ベニヤ板）は、複数層の板で構成されているため耐久性が高く、建築物の下地に広く用いられています。
物流における建材管理の特徴とは？
続いて本項では、物流倉庫における建材管理の特徴について、解説していきます。
搬入先が変わる
物流倉庫から配送される建材の多くは建設現場に直接運搬されることが多く、プロジェクトによってさまざまな場所に配送される必要があります。 そのため、特定のエリア、場所にのみ搬入されるわけではなく、現場の場所によって搬入先が常に変動する点は特徴といえます。
建材の種類が多い
前述したように、建材にはさまざまな種類があります。建材は大きさ、材質、形状や用途など、さまざまな点で資材ごとに異なります。
具体的には木質建材、金属建材、窯業建材、プラスチック建材、住宅設備機器など、膨大な種類の建材があります。一戸建ての建設に必要な建材を想定した場合でも、その数は1万を超えると言われています。
納期が定められている
建材の納期に関しては、建設工事の進行状況によって決められる場合がほとんどです。建設現場へ建材を搬入する場合を考えても、日にちだけではなく、細かい時間単位で納期が指定されていることが多くあります。
天候に左右されやすい
建設工事の進捗状況は作業の効率だけでなく、天候によっても大きく左右されます。たとえば大雨や台風、降雪などがあった場合、建設工事のスケジュールに影響が出ることは想像に難くありません。これにより、建材の搬入スケジュールも天候によって細かな調整が求められる場合があります。
上記の天候状況によって、建材の搬入タイミングも変化するため、この点も物流における建材管理の特徴の一つということができるでしょう。
建材の主な物流ルートとは？
建材はさまざまな種類があり、ものによって運び込まれる現場はさまざまです。では、建材の物流ルートにはどのようなものがあるのでしょうか。本項では、建材の主な物流ルートについて解説していきます。
住宅メーカーを経由する
住宅メーカーを経由する場合、サプライヤーがまず住宅メーカーが所持している工場などに搬入を行い、そこから建設現場へと建材が搬入されます。 ユニット工法、プレハブ工法が採用されている建設現場で用いられている点が特徴です。
問屋を経由する
問屋を経由する場合、サプライヤーがまず問屋に配送、その後いくつかの問屋を経由した後、建材の販売店舗が建設現場へと建材を納品します。建材によって採用される物流ルートは異なる点が特徴です。
また、問屋経由の場合、複数の業者が入っているため、納品のタイミング、数量などの調整を細かく行える点がメリットとなっています。
現場へ直送する
サプライヤーが直接建設現場まで建材を配送・搬入を行います。この物流ルートが用いられる建材の種類は主に下記の2点です。
- オーダーメイドの建材
- サイズの大きい建材
全ての建材に現場直送が用いられるわけではありませんが、ものによって直送のルートが用いられる場合があることは把握しておきましょう。
物流における建材管理の課題とは？
建材の配送においては物流ルートが重要となることは前項で解説しました。しかしながら、物流における建材管理の課題にはどのようなものがあるのでしょうか。本項で解説していきます。
配送先・交通状況の影響を受け易い
建材の搬入先は建設現場の場所によって異なります。配送場所が変動する分、配送に使われる最適な配送ルートにも変更の必要性が生じます。建材は時間指定で搬入するケースも多いため、予定時間通りに納品できる配送ルートの決定が重要です。
しかしながら、建材の配送ルートは交通量、道路工事、時間帯など、さまざまな要因によって左右されます。状況に応じて配送計画を修正する必要性が生じるため、建材を取り扱う物流事業者には大きな課題となっています。
物流ルートの複雑化
建材が品目によって形状、材質、重量が異なりますが、その分物流ルートも複雑化していきます。これは取り扱う建材の特徴に応じて、配送時に求められる取り扱い方法が異なるためです。
取り扱う建材・運び込む現場によって物流ルートが変わることにより、物流にとっての課題となるのは積載効率の低下です。建材の物流を最適化することはさまざまな要因によって難しくなっており、積載効率の悪化が課題とされています。
業務の自動化が進んでいない
建材の物流にかかわる業務は基本的に人の手で行われています。注文、配送、納品まで、一連の流れは手作業によって賄われています。このような状況下においては人的ミスの頻発や、業務効率の低下が問題となります。 上記の問題においてはITツール、システムの導入による業務の自動化が解決策となりますが、サプライヤー、問屋などがそれぞれ独自のシステムを使用していることも問題となっています。建材の物流を最適にするにあたっては情報の共有を効率化し、システムやツールを用いたＤＸ化の推進が必要といえるでしょう。
まとめ
本記事では、建材の意味や種類、物流における建材管理の特徴や主な物流ルート、抱えている課題について解説しました。建材にはさまざまな種類があり、それぞれ取り扱いの方法が異なります。また、建材の物流を最適化するには、物流ルートの最適化や、ITツール、システムを活用した情報共有の効率化が必要といえるでしょう。