天井クレーンにはどんな種類がある? 倉庫や工場で活躍するクレーンの定義や種類を解説

公開日:2023/07/28

荷物を吊り上げ水平に運搬するためのクレーンには、様々な種類があります。倉庫や工場で活躍する天井クレーンにも多種多様な種類があり、それぞれの現場に適したものを設置しなければいけません。この記事では、倉庫や工場などで活躍する天井クレーンについて、定義や種類などを解説します。

クレーンとは

荷物を吊り上げ、そのまま水平に運搬する機械が「クレーン」です。動力を用いて荷物を吊り上げると同時に、吊り上げた荷物を水平に運搬します。したがって、人の力で荷物を持ち上げたり、移動させたりするのはクレーンではないといえます。なお、クレーンの分類上、移動式クレーンとデリックといわれる機械「以外」のものという定義があります。

天井クレーンとは

そのなかでも、天井クレーンとは、建屋の両側の壁に沿って設けられたランウェイ上を走行するクレーンです。ちょうど、建屋の天井をクレーンが走るようになるのでこの名称が用いられています。屋外に設置するランウェイの上を走行するタイプのクレーンについても、同様の構造や形状であれば天井クレーンとしており、いずれも普通型と特殊型に分類されます。

普通型

天井クレーンの普通型には「クラブトロリ天井式クレーン」、「ホイスト式天井クレーン」の2種類があります。
クラブトロリ式天井クレーンは荷物を吊り上げながら走行する移動式のクレーンであり、運転室の操作性が非常に高いのが特徴です。その他、トロリ式にはクレーンガーダの上を横行するクラブトロリと、ロープを使用するロープトロリがあります。
ホイスト式天井クレーンには電気ホイストがあり、基本的にはクラブトロリと同じであるが小型のためさまざまな場所に設置でき、小容量の荷物を運搬できるのが利点です。

特殊型

特殊型クレーンは、「旋回式」、「すべり出し式」、「旋回マントロリ式」、「製鉄用」の4種類に分類されます。
旋回式は軸を中心に回転して荷物を運搬するもの、すべり出し式はガーダが伸縮するものです。また、旋回マントロリ式は、旋回できる機能を持ったマントロリタイプの天井クレーンです。

また、製鉄用は「装入クレーン」、「レードルクレーン」、「鋼塊クレーン」、「焼入れクレーン」、「原料クレーン」、「鍛造クレーン」など、多くの種類があります。いずれも、鋳造品を熱間鋳造するためのプレス機とあわせて鋳造作業の現場で使用されるものです。

装入クレーンは、炭素鋼や鋳鋼の製造や金属の製造、精製において、原料を炉へ詰め込むため、レードルクレーンは、溶鉄鍋を吊り上げて、その中の銑鉄を溶かしたもの(溶銑)を流し込む、または転炉で処理した溶鍋を運搬するなどのために使用されます。また、鋼塊を運ぶための鋼塊クレーンは、造塊用の吊り具があること、焼入れのために使用する焼入れクレーンは、巻き上げが早いのが特徴です。その他、原料クレーンは装入受台などに原料を運ぶために使用されます。

天井クレーンの種類について

天井クレーンの種類には「軌条式天井クレーン」と「懸垂式天井クレーン」の2種類があり、用途に合わせて機能を選択します。設置する際は吊荷の定格荷重(t)とクレーンスパン(m)、走行レール幅(mm)を確認してください。

軌条式天井クレーン

「軌条式天井クレーン」とは、走行ランウェイ上を走行するタイプのクレーンの総称です。日本国内のクレーンでは、最もスタンダードなものだといえるでしょう。
その特徴は安定性の高さにあります。軌条式天井クレーンは、大容量クレーンの設置が可能。さらに、天井梁下の空間を利用できることから、大幅な有効揚程の確保も容易であるというのもであるというのも特徴です。

軌条式天井クレーンには1本のガーダを有するシングルガーダタイプと、2本のガーダを有するダブルガーダタイプがあります。シングルガーダは懸垂式ホイスト、ダブルガーダにはクラブ、またはダブルレール形ホイストの巻上機が使用されています。

・軌条式電動サドル……電動で走行移動する。なお鉄車輪である
・軌条式電動サドル……電動で走行移動する。ウレタン車輪で騒音・振動がなめらかである
・軌条式プレンサドル……人力で走行移動する。軽作業に適している
・軌条式ギヤードサドル……ハンドチェーン操作で横行移動する

懸垂式天井クレーン

懸垂式天井クレーンとは、走行ランウェイにぶら下がった状態で走行するクレーンの総称です。横行方向のフックヨリに有効で、走行ランウェイの外でも荷の運搬が可能になります。また、走行レールを取り付ける位置やスパンを任意で設定できるのも特徴です。生産ラインの工程を意識した設計も可能でしょう。

基本的にはシングルガーダであるため、巻上機には「懸垂形ホイスト」が用いられる。
・懸垂式電動サドル……電動で移動する
・懸垂式プレンサドル……人力で走行移動する。軽作業に適している
・懸垂式ギヤードサドル……ハンドチェーン操作で横行移動する

まとめ

動力を用いて荷物を吊り上げる機械で、吊り上げた荷物を水平に運搬する機械装置であるクレーンはその構造、形状、用途によって分類されます。
その中でも、倉庫や工場で活躍している天井クレーンは、建屋の両側の壁に沿うようにして設置されるランウェイ上を走行するもの。つまり、建屋の天井をクレーンが走行する天井クレーンで業務を効率化しています。

その天井クレーンには「軌条式天井クレーン」と「懸垂式天井クレーン」の2種類があり、それぞれ電動で走行する電動サドルなどがあるので、倉庫や工場では、取り扱っている荷物や建屋の構造や実際の用途に合わせて選択することが重要です。

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