【物流業界用語】 物流管理者に欠かせない知識
物流業界では関係者間でしか認識し合えない専門用語が頻出します。新しく物流を管理する立場になった物流管理者、あるいは担当者にとっては聞いただけでは理解できない用語も多いのではないでしょうか。まずは物流管理者、あるいは担当者が最低限これだけは知っておくべき知識として、物流用語を23語ご紹介します。
物流管理者に欠かせない23語
今回ご紹介する23語の中には、基本的な用語から、最近の物流のトレンドを抑えた用語までピックアップしています。
海上コンテナ
国際的にISO規格で標準化されている「国際海上貨物用コンテナ」のことを海上コンテナといいます。規格化によって輸送の効率化を実現しています。また、コンテナのサイズは20フィートコンテナと40フィートコンテナの2種類があります。
貨物
貨物とは運送の客体となる部品で比較的大きな物品をいいます。そのなかでも、軽貨物、一般貨物、特定貨物という種類に分類できるものです。輸送には、貨車(JRなど)、トラック、船、飛行機などのモードが選択肢となります。
倉庫管理システム
倉庫管理システムはウェアハウス・マネジメント・システム(WMS)ともいいます。倉庫内の運営をサポートするシステムとして、ロケーション管理、在庫の変動、納品書の作成など、倉庫での業務のマネジメントを支えるシステムです。
在庫管理
在庫管理とは倉庫内の在庫を把握することを意味しています。そのうえで、納期を踏まえた発注量と発注のタイミングを管理することも含みます。なにより、在庫管理では、在庫を記録することで欠品を起こさないことが重要です。
重量物
重量物に「何kg以上」という定義はありません。そのため、「特に重量のあるもの」だといえます。基本的にはひとりでは持てない、数人で持ち上げたり機械で持ち上げたりしなければいけないものであれば重量物ということができるでしょう。ただし、ひとりで持ち上げられるものでも重量物ということもあります。
重量物について、詳しくはこちら
「重量物の定義とは?法令ではどのように定められている?」
出荷
出荷とは「商品を市場に送り出す一連の作業」のことで、受注、ピッキング、検品、梱包、記録、発送などが該当します。
3PL(Third Party Logistics)
「3PL (Third(3rd)Party Logistics)」とは、一般的には荷主に対して物流改革を提案し、包括して物流業務を受託し遂行することを意味します。荷主と運送業者は「利益相反」する関係ともいえるため、どちらかに不都合になることもあります。その問題を解決できるよう、ノウハウを持った第三者が、荷主の立場にたってロジスティクスの企画・設計・運営を行うコンサル的な業務が3PLです。
3PLについて、詳しくはこちら
「3PLのメリット・デメリットとは?物流運用の課題を解決できる?」
天井クレーン
天井クレーンは、主に平屋倉庫に導入されている天井付近に設置された可動式のクレーンのことです。建屋の両側の壁に沿って設けられた走行軌道を走行する仕様になっています。
天井クレーンについて、詳しくはこちら
「天井クレーンの点検とは?法定義務のある自主検査について詳しく解説」
荷役
「荷役」と書いてにやくと読みます。物流における「荷物」を取り扱う作業の総称であり、その業務は荷物の積み下ろし、運搬、取り出し、仕分け、荷揃えなど多岐にわたります。
荷姿
荷姿とは梱包された荷物の外観のことを意味しています。梱包方法や素材、形式によって段ボール、パレット、コンテナ、木箱など、様々なパターンがあります。
荷主
荷主とは、輸送の方法等を決定する事業者です。したがって貨物の所有権は必ずしも荷主が持っているわけではありません。また、荷主が個人でなく企業である場合は荷主企業という言い方をすることもあります。
配送センター
配送センターとは、決まった地域「エリア内」の配送、トラックなどで輸送を行う拠点を指します。センター内では、供給者から届けられる品物を検品、仕分けをしたうえで発送します。特に、チェーン展開している小売業では、在庫を管理する目的で配送センターを設置しているのが一般的です。
物流
商品が消費者のもとに届けられる一連の流れを、総じて「物流」といいます。
物流業界
物流業界は「物の流れ」扱う業界だといえます。生産者のもとから商品を運搬して消費者のもとまで届ける業種になります。その中でも「営業」「管理」「SD職(セールスドライバー)、パイロット、航海士」と、主に3つの職種と仕事内容に分類されます。
流通加工
流通加工とは、流通の過程で商品の価値を高めるための加工全般を指します。生鮮食品や繊維品の二次加工、小分け放送、値札付け、鉄鋼やガラスの裁断なども流注加工です。
物流サービス
物流サービスとは、物流業務を最適化するために提供される各種サービスのことです。主に物流倉庫やセンターに関わる業務がメインとなっており、流通加工や倉庫業務、配送サービスなど、提供されるサービスの範囲は多岐にわたります。
物流センター(物流拠点)
物流センター(物流拠点)とは、保管、輸送、荷役、包装、流通加工の機能を持つ、高度化した物流に関する作業を行う倉庫だといえます。また、物流センターの種類として、配送センター、デポ、DC(ディストリビューション・センター)、TC(トランスファー・センター)、PDC(プロセス・ディストリビューション・センター)があげられます。
物流倉庫
物流倉庫とは、商品が生産者から消費者の手に渡るまでの過程のうち、仕分けや配送を行う施設です。主に、入庫・棚入れ・保管・流通加工・出庫の業務を行っています。
パレット
パレットは荷物を載せるための荷役台です。さまざまな規格があるものの、日本国内で一般的なのはJIS規格の1100×1100×144mmサイズのものです。
パレット輸送
パレット輸送とは「パレット」に荷物を乗せて効率的に積み下ろしをする輸送方法です。
フォークリフト
フォークリフトは、重い荷物の運搬などを行える、昇降や傾斜などの動きを可能にしている車両です。専用の資格を必要とする特殊自動車の運転作業となります。
ロケーション
ロケーションとは、倉庫内の商品や材料の保管場所を示す住所のようなものです。倉庫内の情報をロケーションマップという形でデータ化することで、商品のある場所をより早く見つけ出すことができます。また置き方には、平置き、ラックのふたつの方法があります。
ロジスティクス
物流の運送・保管・包装・システム・流通加工・荷役などさまざまな機能を高度化し、調達・生産・販売・回収などの分野を統合して、需要と供給との適正化を図ることをロジスティクスといいます。また、ここでの高度化とは業務価値や商品価値を高めることを意味します。
まとめ
今回は、物流業界用語として物流管理者に欠かせない知識となる23語を取り上げました。業務を通じて点と点がつながり線になるように、それぞれの用語を体系としてとらえられるはずです。あとは、その現場ごとに求められる物流の知識を、その都度アップデートして業務に対応していきましょう。