流通加工業務とは?目的や具体的な作業内容、アウトソーシングについて徹底解説

公開日:2024/07/30

商品が生産元から消費者のもとへ届くまでには、さまざまな物流業務を経ています。その中でも重要な業務の一つが、「流通加工業務」です。しかしながら、流通加工業務が具体的にどのような業務を指しているのか、漠然としていてイメージが湧かない、という方も中にはいるでしょう。そこで本記事では、流通加工業務の概要や目的、具体的な作業内容などを解説します。

流通加工業務とは?

流通加工業務とは、商品の流通過程において、物流倉庫をはじめとした拠点で施される加工作業の総称です。

流通加工業務の指す幅は広く、商品に傷や汚れなどの不良がないか確認する「検品」なども含まれます。「加工」という言葉から何か商品に変更を加える業務を連想しがちですが、実際にはそうではありません。

また、流通加工業務は物流センターや物流倉庫といった商品の流通拠点で行われるのが基本です。前述したように流通加工業務はさまざまな業務を含みますが、手作業で行われるものもあれば、機材を使って行われるものもあります。

流通加工業務を経て、商品は「商品」の形で消費者のもとへと届けられるため、顧客満足度にもかかわる不可欠な業務の一つといえるでしょう。

流通加工業務の目的とは

本項では、流通加工業務の目的について解説します。

商品の安全性を高める

生産元から届いた商品は、必ずしも完全な状態とは限りません。たとえば段ボールに入った商品であれば、段ボールを留める金具が飛び出てしまっていることなども考えられます。流通加工業務が施されないまま上記のような商品が届けば、顧客にケガをさせてしまうなどのリスクもあり得るでしょう。

顧客のもとへ届く商品の安全性を物流の段階で高めておくという意味で、流通加工業務は重要です。

顧客の負担を軽減する

商品が届いた後、顧客の負担を軽減することも流通加工業務の目的の一つといえます。

仮にプレゼント用に購入された商品でギフトラッピングが必要な場合を考えてみましょう。流通加工でギフトラッピングを行っておけば、顧客は届いた商品をそのまま相手に手渡すことができます。

反対に、流通加工でギフトラッピングが行われないまま商品が顧客の手元に届いた場合、顧客は自分でギフトラッピング用の箱や袋に商品を詰め替えなければならず、負担を強いることになるでしょう。

商品到着後の負担減という意味でも、流通加工業務の果たす役割は重要です。

流通加工業務の種類とは?

流通加工業務といってもさまざまな種類に分かれます。本項では基本的な流通加工業務の内容を解説します。

包装

包装はその名のとおり、商品を袋や段ボール、発泡スチロールなど商品に合わせて包装する作業です。

輸送過程で商品の破損を防止する意味でも重要となるため、包装作業の内容は商品によって大きく異なります。

検品・検針

検品は商品に傷、汚れなどがないか事前にチェックする作業です。検針は主にアパレル製品の流通加工において発生する業務で、商品に縫製時の針などが残っていないかを確認します。

不良品などがないかチェックする作業となるため、クレームを予防するために重要です。

タグ・値札付け

商品によっては、タグや値札が付いていない状態で物流倉庫へ運ばれてくる場合もあります。このような場合には流通加工においてタグや値札の貼り付けが必要になります。 なお、タグ・値札付けにおいてセキュラータッチやハノックなどを活用して作業を行うのが一般的です。

箱詰め

箱詰めも流通加工業務の一つです。別称でアソートとも呼ばれます。

商品が綺麗な並びで箱に詰められているのは、流通加工の過程において人の手で詰められているためです。箱詰めは食品や服飾品など、幅広いジャンルの流通加工において発生します。

ラベル貼り

商品に説明書きや法定表示のラベルが貼られているのを見たことはありますでしょうか?
ラベル貼りも流通加工業務の一つで、物流倉庫において発送前に行われます。

ラベルの種類もさまざまです。たとえば、海外から輸入された商品の場合、日本語版のラベルを貼り付ける必要があります。単純な業務ではありますが、顧客が商品の詳細を参照する際に必要となる情報であるため、欠かせない重要業務です。

カッティング

カッティングとはその名のとおり、商品などを定められた大きさや幅にカットしていく流通加工業務です。カッティング発生するのは主に木材やガラス材、生鮮食品といった商品の流通加工において発生します。

商品に応じて機材を使い、カッティングを行いますが、ケガなどのリスクも伴うため、作業者は細心の注意を払って臨む必要があるでしょう。

プレス加工

プレス加工は主にアパレルの物流において発生する流通加工業務です。シャツやスーツなど、シワになってはいけない衣類のシワを発送前にアイロンなどを使って伸ばしていきます。

アパレル製品の信用にも関わる業務となるため、プレス加工も重要度の高い流通加工業務といえるでしょう。

流通加工業務をアウトソーシングするメリットとは?

人的リソースやコストの問題から、流通加工業務を物流専門の企業にアウトソーシングする場合があります。では、実際に流通加工業務をアウトソーシングするとどのようなメリットがあるのでしょうか。本項で詳しく解説します。

リソースを節約できる

前述で紹介したように、流通加工業務は基本的に人の手で行われる業務が多くあります。そのため、一定以上の人員を流通加工に割く必要があるでしょう。

しかしながら、そこまでの人的リソースを抱えている企業はそう多くないでしょう。そこで流通加工業務をアウトソーシングすることで、自社の人員をコア業務に集中させることが可能になります。

流通加工業務の質を向上できる

流通加工業務は自社人員で行おうとすると業務の質にばらつきが出ます。大量の商品を加工する場合、専門的なスキルのない人員では梱包やラベル張りが雑になってしまうなどの可能性もあるでしょう。

流通加工業務をアウトソーシングすることで、加工の質をある程度均一化し、高い水準で保つことが可能です。流通加工業務の質が上がることで、顧客満足度の向上や、クレームなどの予防にも繋がるでしょう。

流通加工業務をアウトソーシングするデメリットとは?

流通加工業務をアウトソーシングすることで、いくつかのデメリットが発生する可能性もあります。アウトソーシングを検討するうえで、デメリットについて把握しておくことも重要です。本項で詳しく解説しますので、参考にしてください。

コスト増

当然ながら、アウトソーシングすることによるコスト増は避けられません。アウトソーシングする分人件費や設備投資など、自社内でのコストは抑えられますが、アウトソーシングする分のコストは発生します。

そのため、自社で流通加工業務を賄った分のコストと、アウトソーシングした場合のコストとをシミュレーションし、比較検討しておくことが重要です。

品質が低下する可能性

自社外の企業に流通加工業務をアウトソーシングする場合、加工の内容やレギュレーションをしっかりと擦り合わせしておくことが必要です。

仮に加工内容やレギュレーションの申し渡しが上手くいっていない場合、かえって流通加工業務の内容にばらつきが出てしまい、質の低下に繋がるリスクもあるでしょう。

商品の質を下げないためにも、委託先とは綿密に認識のすり合わせをしておくのが無難です。

まとめ

本記事では、流通加工業務の概要や目的、種類やアウトソーシングのメリット・デメリットについて解説しました。流通加工業務は顧客が商品を受け取った際の印象に大きく関わる工程となるため、顧客満足度を向上させるうえでは重要です。

なお、物流に関してお困りのことがあればぜひ、ウチダフレイト株式会社まで相談ください。

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