長尺物をトラックで運搬する際の危険性や注意点とは

公開日:2024/01/31

トラックで長尺物を運搬する際には、さまざまな危険性や注意点があります。
もし荷崩れが起きてしまった場合、二次災害を引き起こし、取り返しのつかないことになる可能性があるため注意が必要です。また、荷崩れ以外にも、はみ出しルールなどにも注意する必要があります。
そのため、記事では、トラックで長尺物を運搬する際の危険性や注意点を解説します。

そもそも長尺物とは何か

2mを超える板材や棒材等を「長尺物(ちょうじゃくぶつ)」と呼びます。
「長物(ながもの)」ともよばれており、長さが10mを超えるものもあります。
このように、長尺物とは2m以上、ものによっては10m以上を超えるものもあるため、トラックで運搬する際には様々なことに注意する必要があります。

長尺物をトラックで運搬するときの危険性

次に、長尺物をトラックで運搬する際の危険性について解説します。

振動と衝撃による荷崩れ

長尺物をトラックで運搬する際には、振動と衝撃による荷崩れに気を付ける必要があります。
トラックで荷物を輸送する際、積荷は上下左右に絶えず振動や衝撃を受けることになります。
具体的には、道路の凹凸やカーブ、急ブレーキなどによって振動や衝撃を受けることになります。
そのため、積付けや固縛の方法に問題があった場合、荷崩れを引き起こす危険性があります。

長尺物の荷崩れによる二次災害

長尺物の荷崩れを引き起こせば、長尺物そのものが損傷してしまうこと以外にも、道路上に落下することによって二次被害を発生させてしまう恐れがあります。
具体的には、他の車両や建造物に接触してしまい損傷をさせる。人に接触してしまい、大けがをさせてしまうといったことが起こりえます。
場合によっては取り返しのつかないことが起こってしまう恐れがあるため、長尺物をトラックで運搬する際には注意が必要になります。

このように、振動や衝撃による荷崩れや、それに伴う二次災害を引き起こしてしまう可能性があるため、長尺物をトラックで運搬する際には注意が必要です。

長尺物をトラックで運搬する際の注意点

先述した通り、長尺物をトラックで運搬する際には振動や衝撃による荷崩れに注意しなければなりません。
では、具体的にどのようなことに注意しなければならないのか?注意点を解説します。

運転の仕方に注意する

まずは、運転の仕方に注意する必要があります。
道路の凹凸やカーブなどがあるため、長尺物に伝わる衝撃や振動をゼロにすることは難しいですが、急ブレーキや急発進・急ハンドルなどによる振動や衝撃は、運転の仕方である程度抑えることが可能です。
そのため、まずは運転の仕方に注意をして、抑えられる振動や衝撃はある程度抑えるようにしていきましょう。
具体的には、急ハンドルをしない、急ブレーキにならないように余裕をもって運転をしましょう。
また、配送ルートを工夫することによって、カーブの回数をなるべく減らしたり、坂道の少ないルートを選定することによってある程度抑えることも可能です。

固縛や長尺物の載せ方に注意する

運転方法に問題がなくても、長尺物の載せ方や固縛の仕方に問題があれば、荷崩れを起こす危険性があるため注意が必要です。以下にそれぞれの注意ポイントを解説します。

・重心の位置に注意する
長尺物を積む際には、重心が偏らないように注意しましょう。
重心が一部に偏った積み付けをしてしまうと荷崩れの危険性が高まるからです。
積み荷の総合重心が荷台中心に近づけるように積み付けを行うことで積み荷は安定します。
そのため、長尺物を積む際には、重心の位置に気を付けながら積み付けを行いましょう。

・長尺物の転がりに注意する
コンクリートパイルや大口径管などの円形断面の場合は、積み荷が転がってしまう場合があります。
そのため、転がりを防止するために「歯止め」等を使用しましょう。

・スタンションを利用する
スタンションを側面に取り付けることによって、長尺物の荷崩れを防止します。
また、荷台前部にスタンションを取り付けて、前当て材を入れることにより、前方への飛び出しを防止することも可能です。

・台木を使用する
台木を使用することによって、製品の曲がりを防止します。
また、台木にはゴムを挟むことによって、摩擦係数を高めて、飛び出しを防止することも可能です。

はみ出しルールに注意する

長尺物をトラックに載せる際には、荷崩れ以外にも、はみ出しルールにも注意しなければなりません。
それぞれのポイントを以下に解説します。

・前後の「はみ出し」
前や後ろへのはみ出しは、それぞれ車体の長さの1.1倍までに収めなければなりません。
例えば、車体の長さ8mの場合、前へのはみ出しを80cm以内、後ろへのはみ出しも同様に80cm以内になるようにしなければならないということです。

・横の「はみ出し」
横へのはみ出しは左右それぞれ、車体の横幅の1.1倍までに収めなければなりません。
例えば、車体の横幅が2.5mの場合は、左右へのはみ出しはそれぞれ25cm以内になるようにしなければならないということです。

・高さ制限
長尺物を載せる場合、長さによっては、ななめに積載することがあります。
その際には高さの制限に注意しなければなりません。
原則は3.8m以内、「高さ指定道路」に限り4.1m以内になるようにしなければなりません。

・制限を超えてしまう場合は許可が必要
それぞれの制限を超えてしまう場合には、制限外積載許可を申請する必要があります。
申請先は、「出発地」の管轄をしている警察署になります。
それぞれの制限については以下になります。

前後のはみ出し:車体の長さの1.5倍まで。
横のはみ出し:車体の横幅+1mまで。ただし全体で3.5mを超えないこと。
高さ制限:4.3mまで。

制限外積載許可を得た後は、30cm四方の赤い布を車体の後ろにつけることで運搬が可能になります。ただし、許可が得られるのは片道のみのため注意が必要です。

まとめ

ここまで解説したようにトラックで長尺物を運搬する際には、荷崩れを防ぐために、「運転の仕方」「固縛や積み付けの仕方」に注意しなければなりません。
また、荷崩れの防止以外にも「はみ出しルール」も考慮する必要があります。
この記事で解説したことをしっかりと押さえて、安全な運搬を実施しましょう。
もし長尺物の運搬についてお困りのことがございましたら、私たちウチダフレイト株式会社に相談頂ければ最適な物流の御提案をお約束致します。

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